建設工事は29種類の一式工事と専門工事に分かれており、建設工事を施工するにはその種類に応じた建設業の許可が必要です。

自社が複数の業種の工事を施工している場合、どの業種の許可を取得すればいいのか判断に迷うこともあるかと思います。

その場合は、「どの業種を主たる工事にしたいか」また、「今まで施工してきた主な工事がどの業種なのか」をよく検討する必要があります。

主たる工事以外の工事は、従たる工事や附帯工事となりますが、これらは下請に出すこともできますし、条件を満たせば許可なしで施工することもできます。

また、工事内容によっては、どの許可業種に該当するのか判断に迷うこともあるのではないでしょうか?

この記事では、許可業種を選ぶときのポイントや注意点を解説していますので、ぜひ参考にしてください。

許可業種を選ぶときのポイント

許可を取る業種は、自社の技術力や営業内容を十分に考慮して選択する必要があります。

また、取得したい許可業種の専任技術者がいるかどうかも重要です。

専任技術者の要件は、許可業種ごとに異なるからです。

そもそも、取得したい許可業種があっても、専任技術者がいなければ許可は取得できません。

専任技術者についてはこちらの建設業許可|3分で理解できる専任技術者の要件で詳しく解説しています。

 

どの業種を主たる工事にしたいか

1つの工事の中に複数の業種の工事が混在することがありますよね。

例えば、住宅リフォームを業としていれば、住宅リフォームという工事業の中には次のような複数の工事が含まれています。

  • 住宅内のクロスや床材の貼り替え工事 → 内装仕上工事
  • 照明関係のリフォーム → 電気工事
  • 厨房設備の改修配管やトイレの設備工事 → 管工事

これらの工事が500万円以下ならすべての工事を施工することができますが、500万円以上となるとそれぞれの業種ごとに建設業許可が必要となってきます。

しかしながら、すべての業種の許可を取るのは大変です。

この場合通常は、主たる工事を1つ決めて、残りは下請けに出すというのがオーソドックスな方法です。

何を主たる工事にするのかは、「自社の技術力」、「専任技術者がいるかどうか」、「請負金額が多いのはどの工事か」など様々な要素を考慮する必要があります。

 

工事内容が重複することがある

工事の内容によって、他の許可業種と重複することがあります。

例えば、モルタル防水工事は、防水工事業だけでなく、左官工事業でも施工できます。

他にもふすま工事では、内装工事業と建具工事業のどちらでも施工できます。

 

付帯工事は許可なしで施工できる?

主な工事の他に、付帯的に他の業種の工事が必要となることがあります。

例えば、舗装工事にともなって街路樹の移植工事(造園工事)が発生するような場合です。

この場合の街路樹の移植工事は付帯工事となり、専門技術者を別に配置すれば、許可がなくても施工できるようになります。

また、一式工事のなかに含まれる専門工事も同様に、専門技術者を別に配置すれば、その専門工事は許可を受けいなくても施工できます。

詳しくはこちらの一式工事で専門工事を施工するための2つの要件とは?で詳しく解説しています。

 

工事の担当箇所によって許可業種が異なる

同じ工事を施工していても、その工事のどの部分を担当するかによって許可業種が異なることがあります。

例えば、同じ鉄骨工事でも、担当箇所により次の2種類の許可業種が存在します。

  • 設計図面から鋼材を加工して鉄骨をつくり現場で組み上げる場合(全体を施工する)

→ 「鋼構造物工事」

  • 他の業者が加工した鋼材を単に現場へ運搬し組み上げることだけを担当する場合

→ 「とび・土工・コンクリート工事」

 

工事種類の例示にない工事内容

各都道府県が発行する手引きの中には、建設工事の種類ごとに、その建設工事の内容および建設工事の例が示されているので、それを見れば自社の工事がどの許可業種に該当するのか分かるようになっています。

しかし、なかには、手引きには例示されていない工事内容もあります。

その場合、自社の工事がどの許可業種に該当するのか判断に迷いますよね。

すべて網羅することはできませんが、例示にない工事内容がどの業種に該当するのか紹介するので、参考にしてみてください。

すみだし工事

→ 大工工事

コア工事

→ とび・土工工事業

汚泥処理工事

→ とび・土工工事業

鋼製の型枠を用いた型枠工事

→ 木製の型枠ではなくても、型枠工事はすべて「大工工事業」となります。

ただし、コンクリート工事に係る仮型枠の施工に関しては「とび・土工工事業」の許可でも施工できます。

塗装工場内の臭気や排気を除去する装置の設置工事

→ 公害防止装置の設置は、衛生設備工事になりますので、「管工事業」になります。

太陽光発電施設設置工事

→ 電気工事

太陽光発電パネルを屋根に設置する場合、屋根等の止水処理の工事も「電気工事」に該当します。

※屋根一体型の太陽光パネルの設置工事は、「屋根工事」となります。

電気に関連する配管工事・・・電気の配電、自動火災報知器、インタホン、電話、テレビ等

→ 電気の配電等の工事は、「電気工事業」

→ 自動火災報知設備に関する工事は、「消防設備工事業」

→ インタホン、電話、テレビに関する工事は、「電気通信工事業」

 

まとめ

許可業種を選ぶときは、「自社の技術力」、「営業内容」、「請負工事の金額」、「専任技術者がいるかどうか」などいくつかの要素を考慮する必要があります。

請負工事の金額が大きいというのであれば、複数の業種の許可を取得してもいいでしょう。

また、この記事で解説したように、付帯工事に該当すれば、専門技術者を配置することで、許可がなくても施工できます。

最近は技術の進歩により、特殊な工法による工事も多くなってきました。各都道府県が発行する手引きに載っていない工事も少なくありません。

この記事でも、少し紹介しましたが、許可業種の判断に迷ったときは、役所や専門家にまず相談してください。