建設業許可を取得するには、経営業務の管理責任者の要件を満たす必要があります。

経営業務の管理責任者の要件は、建設業に関する経営経験と役員の常勤性の2つです。

書籍などでは、色々な書類が書かれていたと思いますが、要はこの2つの要件が満たせていることを証明できれば問題ありません。

逆に言えば、この証明書類を役所に提出できないと、いくら要件を満たせていたとしても許可は下りません。

この記事では、経営業務の管理責任者についての許可申請に必要な添付書類について解説しますので、書類集めの際に参考にしてください。

※経営業務の管理責任者の要件についてはこちらの建設業許可の経営業務の管理責任者の要件を分かりやすく解説で詳しく解説しています。

建設業に関する経営経験と役員の常勤性の2つの証明書類が必要

前述のとおり、経営業務の管理責任者の要件は、建設業に関する経営経験と役員の常勤性の2つを満たす必要があります。

建設業許可申請はすべて書面審査ですので、この2つを書類によって証明しなければなりません。

建設業に関する経営経験を証明する書類は?

建設業に関する経営経験というのは次の2つに分けて証明する必要があります。

そのため、それぞれ2つを証明する書類が必要になります。

・建設業を行っていた経験

・経営者としての経験

これらの経験は5年間必要です。(工事業種は何でもいい)

 

建設業を行っていた経験を証明する書類は?

個人、法人ともに工事請負契約書、注文書、請求書などの写しが必要になります。

その会社で行ってきた工事内容や期間が確認されます。

建設業許可を受けていた場合は、建設業の許可通知書の写しや決算報告届などを提出することで証明できます。

 

経営者としての経験を証明する書類は?

経営者としての経験を証明する書類は個人と法人でそれぞれ違ってきます。

法人の役員としての実績を証明する書類

・勤めていた会社の登記簿謄本(登記事項証明書、履歴事項全部証明書など)

登記簿謄本には役員の氏名や就任期間が記載されているので、実際に該当するのか確認されます。

※令条使用人(支店長・営業所長)の場合は、建設業許可申請書や変更届出書が必要になります。

ただし、申請書等には令3条使用人として登録されている必要があります。

個人事業主としての実績を証明する書類

・期間分の確定申告書の原本(受付印が押してあるもの)

確定申告書は税務署の受付印が必要です。

また、電子申告をしている場合は、メールで送られてくる受領通知が受付印の代わりになります。

 

常勤性があることを証明する書類は?

経営業務の管理責任者は、許可申請をする会社で常勤で勤務する必要がありますが、この常勤性も書類で証明する必要があります。

主な書類は以下の2つになります。

・住民票

・健康保険証

住民票

民票は許可申請をする事業所に常勤として通うことができる距離にあるかどうかを確認するために提出します。

ただし、住所から事業所まで遠い場合(片道2時間以上かかる場合など)は追加資料として、通勤定期券やETCの利用明細などが求めらることが多いです。

また、現在の住所と住民票の住所が違っている場合は、現在住んでいる物件の賃貸借契約書や水光熱費の明細書が必要になってきます。

※住民票は発行後3カ月以内のものが必要です。

健康保険証

健康保険証は社会健康保険証や国民健康保険証などが必要になります。

社会健康保険証の場合は社名や資格取得日が記載されているので、社会保険証1枚で常勤性が証明できます。

しかし、個人事業主など、健康保険に入る必要がない場合は、住民税特別徴収税額通知書や住民税特別徴収切替申請書などが代わりに求められます。

また、状況によっては上記のの書類では常勤性を証明するのに乏しいこともあります。

その場合は役員報酬明細や標準報酬額決定通知書などの追加書類を求められることもあります。

まとめ

いかがでしたか?

専任技術者の確認資料の記事でもお話ししましたが、実務経験を書類で証明する上でのポイントはやはり書類の客観性です。

例えば、建設業許可を受けた会社で建設業に関する経験がある場合は許可通知書1枚で証明できますし、また、社会保険に加入していれば健康保険証1枚で常勤性を証明できます。

そうでない場合は、工事請負契約書などで証明することになりますが、申請先窓口によって求められる枚数も異なってきます。

また、請負契約書がない場合は、請求書の控えを代用するケースもありますが、その場合は預金通帳が求められるなど、書類集めが非常に煩雑になってきます。

経営業務の管理責任者の要件は、建設業に関する経営経験と役員の常勤性の2つです。

極端に言えば、この2つの要件さえ満たせていれば、証明書類は何でもいいということです。

無理だと思っていても、他の書類で代用できることも多いので、工事に関する資料は捨てずに保管しておくのがいいでしょう。