建設業許可は工事業種ごとに取得する必要があります。

工事業種ごとに複数の許可を持つと、問題になるのが有効期間がズレることです。

有効期間が違えば、更新手続きを工事業種ごとにしなければいけませんし、手数料もその分かかってしまいます。

このような問題に対処するために、「許可の一本化」という手続きがあります。

この記事では、「許可の一本化」という手続きで、有効期間を調整する方法を解説していますので、ぜひ参考にしてください。

許可業種を追加すればするほど管理は大変

複数の業種の建設業許可を取ると、当然ですが、それぞれで有効期限が異なってきます。

有効期限が異なると、次の2つの問題が生じます。

  1. 手続き・手数料の負担が増える
  2. 許可の期限管理が難しくなる

有効期限が異なれば、手続き = 更新申請は、5年ごとにそれぞれ必要になりますし、申請手数料もその都度かかってきます。

また、特に注意したいのが許可の期限管理です。

取得している許可業種が2、3業種なら、期限管理はそれほど難しくありませんが、これが4~6業種となればなるほど、期限管理は煩雑なものになってきます。

最悪の場合、管理ミスで更新時期を見逃してしまい、許可を失効するなどの弊害を起こすこともあります。

 

許可の一本化とは?

上記の問題に対処するために「許可の一本化」と呼ばれる制度があります。

「許可の一本化」とは、工事業種ごとで異なっている許可の有効期間を同じにすることをいいます。

これによって、1回の更新手続きで、複数の業種の許可を更新できます。

許可の一本化は、次の2つのタイミングのどちらかで行われます。

・更新申請の際に一本化する

・追加申請の際に一本化する

 

更新申請の際に一本化する

有効期間が満了する許可の更新手続きを行う際に、有効期間がまだ残っている別の業種の許可も同時に更新するというものです。

「残っている有効期間を無理やり捨ててまでして、有効期間を合わせるの?」と思った人もいるかもしれません。

しかし、これは長い目で見ると、断然メリットの方が上回ります。また、許可業種を追加すればするほど、メリットがあります。

前述のとおり、更新申請は1回で済みますし、期限管理も簡単になりますよね。

また、有効期間をそろえれば、更新手数料も1回分で済みます。許可業種ごとに更新手数料がかかるわけではありません。

これが一本化できていないと、それぞれの更新の際に、手数料がかかってしまいます。

※更新手数料は5万円です。

一般と特定の両方の場合は10万円(5万円ずつ必要)です。

 

追加申請の際に一本化する

新たな業種の追加申請をする際に、有効期間がまだ残っている別の業種の許可を同時に更新することで有効期限を合わせることができます。

注意点としては、申請手数料が業種追加分(5万円)+ 更新分(5万円)で5万円ずつかかるという点です。

「更新申請の際の一本化」の場合と異なり、まとめて1回分というふうにまけてはくれません。

また、「追加申請の際の一本化」の場合は、既存の許可(更新する許可)の有効期間が、※知事許可で30日、大臣許可で6カ月以上残っていることが条件となります。

※知事許可の場合は、都道府県によって日数が異なります。あらかじめ窓口で確認が必要です。

 

まとめ

いかがでしたか?

許可の一本化とは、許可の有効期間を一本化する(同じにする)ということをお話ししました。

一本化は許可の有効期間を縮めることになりますが、長い目でみればやはりメリットの方が勝ります。

一本化のメリットは、次の3つでした。

  1. 更新申請が1回で済む
  2. 手数料が省ける(更新の場合)
  3. 期限管理が容易になる(許可の失効を防げる)

このメリットは、許可業種を追加すればするほど大きくなるので、自社の状況に合わせて検討してください。