事業が拡大するもしくは事業が縮小する時に、一般もしくは特定へと許可の切り換え(追加)が必要となることがあります。
許可を持っている者が一般もしくは特定へと切り換える(追加)手続きのことを般・特新規申請といいます。
般・特新規申請という言葉を使っていますが、手続きの内容自体は新規申請と同じです。
ただし、既存の許可から移行することになるので、いくつか留意点があります。
この記事では、般・特新規申請の定義と申請する際の留意点について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
※一般と特定の違いについてはこちらの建設業許可|「一般」と「特定」の違いを完全解説で詳しく解説しています。
Contents
般・特新規申請とは?
次の2つのどれかに該当すれば、般・特新規申請となります。
- 一般もしくは特定の許可を持っている者が、もう一方の許可に変更する場合
- 一般もしくは特定の許可を持っている者が、業種の追加として新たにもう一方の許可を取得する手続
1つずつ見ていきましょう。
一般もしくは特定の許可を持っている者が、もう一方の許可に変更する場合
例:一般の電気工事 → 特定の電気工事へと変更する
特定の電気工事 → 一般の電気工事へと変更する
申請は現在の許可の有効期間内に行う必要がありますが、例えば一般から特定へと般・特新規申請をした場合、承認がすぐに下りず、審査の途中で許可の有効期間が満了してしまうことがあります。
しかし、審査中の場合は、従前の許可の効力は切れることがなく、審査が終了するまでの間は有効です。
一般もしくは特定の許可を持っている者が、業種の追加として新たにもう一方の許可を取得する手続
例:特定の電気工事 → +一般の電気通信を新たに追加する
一般の電気工事・管工事 → +特定の電気通信を新たに追加する
※同じ業種をそれぞれ一般と特定で取得することはできません。
例えば、管工事業の許可を一般と特定の両方で取得することは×。
新規申請との違い
般・特新規申請とは、新規申請の一種なので新規申請と手続き上の違いはほとんどありませんし、手数料も同じです。
知事許可なら9万円、大臣許可なら15万円です。
ただし、元の許可番号は変更とならずに引き継がれます。また、提出する書類に関しては一部省略が可能です。
※特定建設業許可の要件は一般建設業許可よりも厳しくなるので、一般から特定へと変更する際は注意が必要です。
業種の追加との違い
注意したいのは、一般と特定の許可を両方持っている者が、業種の追加として新たにどちらかの許可を取得する場合です。
この場合は、般・特新規申請ではなく業種の追加申請になります。
例:一般の電気工事 + 特定の電気通信 → 特定の管工事を追加する
すでに一般と特定の両方の許可を持っている場合は、業種の追加申請となります。
業種の追加申請の手続きは新規申請と変わりませんが、手数料が知事・大臣ともに5万円となっています。
※業種の追加申請についてはこちらの業種追加とは?|建設業許可を受けてから他の業種を追加するときで詳しく解説しています。
特定建設業への切り換え時の注意点
特定は一般よりも許可要件が厳しくなっています。
具体的に言えば、財産的基礎要件と専任技術者の要件が厳しくなります。
特に特定建設業の専任技術者になるには、高度な資格と実務経験が必要となります。
それだけに専任技術者が欠けてしまえば、すぐに後任の専任技術者を雇い入れることは簡単ではありません。
そのため、以下のポイントに留意してください。
- 長期的に安定して雇用できる人材か
- 中小企業の場合は、役員などの経営者を専任技術者として配置できるか
- 大臣許可の場合は、各営業所に特定の専任技術者の資格を持つ人材を複数名、勤務させることができるか
※特定建設業の要件については詳しくはこちらの特定建設業許可|厳しくなるのは2つの要件のみで解説しています。
まとめ
いかがでしたか?
般・特新規申請とは、一般から特定、特定から一般へと変更もしくは追加をする際に必要となる手続きです。
一般もしくは特定の許可を取得する場合でも、他の業種ですでに一般と特定両方の許可を持っていれば、業種の追加申請となります。
般・特新規申請の手続き自体は、新規申請と同じですし、特定から一般へと変更する場合は、むしろ手続きの難易度が下がるので問題はありません。
しかし、一般から特定へと変更する場合は逆に手続きの難易度が上がってしまいます。
また、特定の許可を取得できても、要件を満たさなくなれば、許可は失効してしまいます。特定の許可が失効してから、一般の許可を取得する場合、どうしても許可の空白期間が生じるので注意が必要です。