建設業許可を取得するには、専任技術者の要件を満たす必要があります。

専任技術者の要件である、適格性(技術力)と常勤性を確認するためには、役所に提出する裏付けとなる添付書類が必要になってきます。

いくら要件を満たせていたとしても、この添付書類が用意できないと、許可は下りません。

この記事では、許可申請に必要な専任技術者についての添付書類について解説しますので、書類集めの際に参考にしてください。

適格性(技術力)と常勤性の2つを証明する書類が必要

専任技術者については適格性(技術力)と常勤性の2つの要件を満たさなければなりません。

建設業許可申請書には添付書類が求められますが、専任技術者の要件に関しては、適格性(技術力)と常勤性の2つを証明する書類が必要になります。

専任技術者の要件についてはこちらの建設業許可|3分で理解できる専任技術者の要件で解説していますので参考にしてください。

適格性(技術力)を証明する書類は?

適格性(技術力)要件を満たすには、次の3つのいずれかに該当する必要があります。

・許可を受けようとする業種に応じた国家資

・許可を受けようとする建設業の工事について10年以上の実務経験

・高校、大学の指定学科卒業後一定以上の実務経験

確認書類は上記のどれに該当するかで異なってきます。

それでは、1つずつ確認していきます。

 

業種に応じた国家資

業種に応じた国家資格の「合格証明書」「免許書」が必要になります。

合格証明書がまだ届いていない場合は、合格通知書でも可能です。

 

10年以上の実務経験

実務経験を証明するには、証明者=(以前勤めていた(いる)会社や職場)から次の書類をいただく(用意する)必要があります。

証明者が建設業許可を有していた場合・・・建設業許可通知書の写し

証明者が建設業許可を有していなかった場合・・・期間分の工事請負契約書、請負書、注文書のうつしなど

個人事業主の場合・・・確定申告書の控え、所得証明書、契約書など

 

指定学科卒業の一定以上の実務経験

高校の指定学科卒業後は5年以上の実務経験が必要になり、大学の指定学科卒業後の場合は3年以上の実務経験が必要です。

業種と関連する学業を学んでいる分、実務経験は暖和されます。

「卒業証明書」の原本が必要です。実務経験の証明書類は前述のとおりです。

 

常勤性を証明する書類は?

常勤というのは、例えば週40時間など毎週一定の時間、営業所に勤務することをいいます。

ここでいう常勤とは、「現在の常勤性」「実務経験の証明期間の常勤性」の2つのことをいいます。

 

現在の常勤性を証明する書類

許可申請をする会社で許可取得後、常勤できることを証明します。以下の書類が必要です。

・住民票(発行後3ヶ月以内のもの)

・健康保険被保険者証の写し(事業所名が記載されているもの)

・健康保険・厚生年金被保険者標準報酬額決定通知書のうつし

・健康保険・厚生年金被保険者資格取得確認及び報酬決定通知書のうつし

・住民税特別徴収税額通知書

・確定申告書

※出向の場合は出向協定書(出向元と出向先の身分関係が明記されているもの)や辞令が必要になります。

 

本人の住所と営業所の所在地が離れている場合

専任技術者は営業所に常勤していなければなりません。

常識の範囲内で通勤できる距離に住んでいることが必要ですが、住民票の住所と営業所の住所が離れすぎている場合、本当にその営業所に勤務しているのを確かめるために次の書類が求められます。

・車通勤・・・通勤経路図、運転免許証、車検証のうつし

・車以外・・・通勤経路図、定期券のうつし

 

過去の実務経験の証明期間の常勤性を証明する書類

過去の実務経験の証明とともに、その経験を積んだ会社で常勤していたことを証明しなければなりません。

※国家資格等で要件を満たす場合は必要ありません。

・健康保険被保険者証のうつし(事業所名と資格取得年月日が記載されているもの、引き続き在職している場合に限る)

・厚生年金の加入期間を証明できる書類

・住民税特別徴収税額通知のうつし(証明期間分)

・確定申告書

※出向の場合は出向協定書(出向元と出向先の身分関係が明記されているもの)や辞令が必要になります。

 

まとめ

いかがでしたか?

実務経験を書類で証明する上でのポイントは書類の客観性です。

例えば、許可通知書のうつしなどの公的書類は、客観性が十分あるので、それ1枚ですみますよね。

しかし、工事の請負契約書などは公的書類ではないので、どうしても客観性に欠けます。それだけ他に用意する資料が多くなるということです。

請負契約書がない場合は、請求書の控えを代用するケースもありますが、その場合は預金通帳が求められるなど、書類が何百枚にも及ぶことがあります。

また、他社で役員を兼務している場合は、他社からの非常勤証明書が求められたり、都道府県によって必要となる書類も異なってきますので、事前に確認が必要です。