建設業許可は知事許可と大臣許可に分かれます。
この2つのの違いは規模や優劣の差ではなく、営業所が複数の都道府県にまたがって存在しているかどうかです。
また、これから新規で許可を受ける人は、およそ以下のような疑問がありませんか?
- 許可を受けた都道府県以外でも工事は受注できるの?
- 知事と大臣では施工請負できる工事の範囲に制限があるのではないか?
- そもそも建設業の営業所って?
この記事ではこのような疑問から知事許可と大臣許可の違いを詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
知事許可と大臣許可の違いは?
知事許可と大臣許可の区分は営業所を「県内のみに置くのか」それとも「県外にも置くのか」の違いです。
- 1つの都道府県だけに営業所を置く場合は知事許可
- 2つ以上の都道府県に営業所を置く場合は大臣免許
例えば、兵庫県のみに5つ以上の営業所があっても知事許可になりますし、逆に2つしか営業所がなくても、兵庫県と大阪にまたがって営業所があれば、大臣免許となります。(兵庫県に本社、大阪に支店がある場合等)
知事許可と大臣許可では工事範囲に制限があるのか?
よく「許可を受けた都道府県以外でも、工事は受注できるの?」「知事許可と大臣許可で工事範囲に制限があるの?」と質問を受けます。
前述のとおり、2つの違いは営業所が複数の都道府県にまたがって存在しているかどうかの問題ですので、工事範囲に制限はありません。
知事許可、大臣許可どちらも、全国どこでも工事は受注できます。兵庫県で知事許可を受けていれば、東京で工事を施工することも可能です。
建設業の営業所の定義
建設業法では営業所の要件が定義されています。そのため、いくら自分で営業所と決めつけていても、要件に当てはまらなければ、営業所には該当しません。
営業所とは、「常時建設工事の請負契約を締結する事務所」のことをいい、要件は次の4つです。
・請負契約の見積り、入札、契約締結など実体的な業務を行っている
・電話、机、各種事務台帳などがあり、居住区分とは明確に区分された事務室が設けられている
・契約に関する権限を付与された者が常勤している
・専任技術者が常勤していること
注意点としては、実態のない単なる登記簿上の本店や支店、作業場や資材置き場、建設業と関係のない営業所などは営業所に該当しません。
ただし、「常時建設工事の請負契約を締結する事務所」に該当しなくても、他の営業所に対して、請負契約に関する指導監督を行う等、建設業に関する営業に実質的に関わっていれば、建設業法上の営業所に該当します。
申請先について
申請先は知事許可と大臣許可で異なってきます。
知事許可の申請先
営業所の所在地を管轄する都道府県知事に許可を受けることになっています。
申請先は都道府県でそれぞれ名称が異なりますが、土木事務所など「土木」という名称がつくところが多いです。
兵庫県では営業所の所在地を所管する施設の土木事務所となります。
例:兵庫県神戸市の場合
大臣許可の申請先
主たる営業所(本社や本店など)の所在地を管轄する都道府県知事を経由して、主たる営業所の所在地を管轄する地方整備局長に申請します。
例えば、兵庫県では、兵庫県県土整備部県土企画局総務課建設業室というところで申請します。
兵庫県県土整備部県土企画局総務課建設業室
〒650-8567
神戸市中央区下山手通5-10-1(県庁1号館11階)
078-341-7711(代表) 内線4575/4576
まとめ
いかがでしたか?
知事許可は全体の8~9割程度を占めますので、ほとんどの方が知事許可になると思います。
2つ以上の都道府県に営業所があれば、大臣許可となり、それ以外は知事許可です。
また、営業所が複数の都道府県にまたがって存在しているかどうかの問題ですので、大臣許可の方がレベルが高いとかそういうものではありません。
知事許可、大臣許可どちらも、工事範囲に制限はなく、全国どこでも工事を施工できます。