建設業許可を取得するには5つの要件を満たす必要があります。
その1つに「誠実性」の要件があります。
経営業務管理責任者、専任技術者などの要件は判断基準が明確で分かりやすいのですが、この誠実性というのは判断基準が漠然として感じるかもしれません。
しかし、誠実性の要件にも正確な判断基準がありますし、よほどのことがなければ問題なく満たせる要件です。
この記事では、誠実性の定義から判断基準まで詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
誠実性とは?
「誠実性を有する」とは不正または不誠実な行為をするおそれのないことをいいます。
不正行為とは、請負契約の締結や履行について詐欺、脅迫、横領、文章偽造などの法律違反をすることです。
また、不誠実な行為とは、工事の内容、工期などに関する請負契約に違反することです。
「私は不誠実なことは一切しません」といくら宣誓的に誓ってみたところで、根拠がないので、真実味に欠けますよね。
そこで、誠実性を判断するにあたって、具体的に判断基準が設けられています。
押さえるべきポイントとしては、「誠実性が問われる主体=対象者」と「誠実性の内容=過去の経歴」です。
誠実性の対象者は?
この誠実性の要件は経営陣を対象者としています。
経営に携わらない従業員にまで求められいるわけではありません。
この経営陣の対象者は個人と法人で違いありますが、次のとおりです。
・法人=非常勤を含む役員全員、実質的な経営者、さらには支配人や営業所の代表者
・個人=申請者や支配人、営業所の代表者
※使用人とは従たる営業所の代表者(支店長)などです。
誠実性の内容は?
前述のとおり、「私は不誠実なことは一切しません」といくら宣誓的に誓っても真実味がありません。
誠実性には判断基準があります。それは過去の経歴です。
過去の経歴とは、関連業法で行政処分をうけた経歴がないかどうかです。
具体的に言うと、建築士法や宅地建物取引業法などの法律によって免許等の取り消し・営業停止処分を受けて5年を経過していなければ、誠実性が無いものと判断され、許可の取得はできません。
また、暴力団の構成員となっていたり、暴力団の方が経営に関与している場合も、誠実性がないと判断されます。
まとめ
「誠実性を有すること」の対象者は法人・個人ともに経営者のみです。
また、建築士法や宅地建物取引業法などの法律によって免許等の取り消し・営業停止処分を受けていなければ、まず問題ないので安心してください。
建設業界は、他の業界に比べて商品が高額ですし、完成までに長い時間を必要としますので、信用が第一に問われます。
許可を受けることができても、不正または不誠実な行為をしたときは、その時点で許可の取消処分を受けることになるので、注意が必要です。